パスワードのセキュリティに関する基本事項

パスワードを設定し、開く、編集、印刷など特定の機能を使用禁止にすることで、PDF へのアクセスを制限することができます。次の ２ 種類のパスワードを使用できます。

  • ドキュメントを開くパスワード  ドキュメントを開くパスワードを設定した場合、ドキュメントを開くためにパスワードの入力が必要です。

  • 権限パスワード  権限パスワードを設定した場合、ドキュメントを開くときにパスワードの入力は必要ありません。ただし、制限された機能を設定または変更するには、権限パスワードの入力が必要です。

注意: PDF が両方のタイプのパスワードで保護されている場合は、いずれかのパスワードを使用してドキュメントを開くことができます。ただし、制限された機能を変更するには権限パスワードが必要です。

 

パスワードによるセキュリティで PDF または PDF ポートフォリオを保護する方法

パスワードによるセキュリティを使用して PDF を保護するには、次の ２ つの方法があります。

  • [パスワードによるキュリティ] ダイアログ ボックス  [パスワードによるキュリティ] ダイアログ ボックスで、ドキュメントを開くパスワードと権限パスワード両方のセキュリティ設定を表示および編集できます。[パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスを開くには、[セキュリティ] > [暗号化] > [対話型パスワード] を選択するか、[ドキュメントのプロパティ] ダイアログボックスを開き、[セキュリティ] タブをクリックし、セキュリティ方法のドロップダウン メニューから [パスワードによるキュリティ] を選択します。また、[セキュリティ] > [暗号化] > [ファイルを開くパスワード]/[権限パスワード] を選択して、パスワードを直接設定することもできます。

  • セキュリティ スキーム  セキュリティ スキームは、カスタム セキュリティ設定が保存される再利用可能なセキュリティ プロファイルです。複数の PDF に対して同じセキュリティ設定を頻繁に適用する場合は、セキュリティ スキームを作成すると作業を簡素化することができます。

注意: パスワードを忘れた場合、PDF からパスワードを復元することができません。パスワードで暗号化する前に、PDF のバックアップ コピーを保存してください。

パスワードによるセキュリティの追加

パスワードによるセキュリティ ダイアログ ボックスまたはカスタム セキュリティ スキームを使用して、パスワード ベースのセキュリティで単一の PDF、または PDF ポートフォリオ内のコンポーネント PDF を保護できます。注意: PDF ポートフォリオ全体を暗号化するには、[ファイル] > [プロパティ] を選択して [ドキュメントのプロパティ] を開き、[セキュリティ] タブをクリックして、[セキュリティ方法] ドロップダウン メニューで [パスワードによるセキュリティ] を選択します。

  1. パスワードによるセキュリティで PDF または PDF ポートフォリオを保護するには、次のいずれかの操作を行います。

    • 単一の PDF を暗号化するには、PDF を開き、次のいずれかの操作を行います。

      • [セキュリティ] > [暗号化] > [対話型パスワード] を選択して、[パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスを開きます。または、[ドキュメントのプロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[セキュリティ] タブで、セキュリティ方法のドロップダウン メニューから [パスワードによるセキュリティ] を選択します。PDF が既に保護されている場合は、[設定...] をクリックして [パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスを開きます。

      • 既存のセキュリティ スキームを (または新しいセキュリティ スキームを作成して) ドキュメントに適用します。詳細については、セキュリティ スキームを参照してください。

    • PDF ポートフォリオ内のコンポーネント PDF を暗号化するには、PDF ポートフォリオを開き、暗号化するコンポーネント PDF をダブルクリックして、次のいずれかの操作を行います。

      • [セキュリティ] > [暗号化] > [対話型パスワード] を選択して [パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスを開きます。または、[ドキュメントのプロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[セキュリティ] タブで、セキュリティ方法のドロップダウン メニューから [パスワードによるセキュリティ] を選択します。PDF が既に保護されている場合は、[設定...] をクリックして [パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスを開きます。

      • 既存のセキュリティ スキームを (または新しいセキュリティ スキームを作成して) ドキュメントに適用します。詳細については、セキュリティ スキームを参照してください。

    • PDF ポートフォリオ全体を暗号化するには、PDF ポートフォリオを開き、次の操作を行います。

      • [ファイル] > [プロパティ] を選択します。[ドキュメントのプロパティ] ダイアログ ボックスの [セキュリティ] タブで、[セキュリティ方法] ドロップダウン メニューから [パスワードによるセキュリティ] を選択します。PDF が既に保護されている場合は、[設定...] をクリックして [パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスを開きます。

  2. [パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスで、次のいずれかの操作を行います。

    • ドキュメントを開くためのパスワードを持つ承認されたユーザーのみがドキュメントにアクセスできるようにするには、暗号化の互換性レベルを選択し、暗号化するドキュメント コンポーネントを選択します。[ドキュメントを開くときにパスワードが必要] をオンにし、[ドキュメントを開くパスワード] フィールドにパスワードを入力します。

    • ファイルに対するアクセス許可を制限するには、暗号化の互換性レベルを選択して、[権限パスワードを設定して印刷、編集及びセキュリティ設定の変更を制限] をオンにし、[権限パスワード] フィールドにパスワードを入力します。次に、許可する印刷レベル、変更内容、テキスト、イメージおよびその他の内容のコピー、スクリーンリーダー デバイスのテキスト アクセスの制限を指定します。

  3. [OK] をクリックします。パスワードの確認を求める [パスワード] ダイアログ ボックスで、適切なパスワードを再び入力し、[OK] をクリックします。

PDF へのアクセスの制限

ドキュメントを開くパスワードを設定することで、PDF へのアクセスを制限することができます。ユーザーは PDF を開くためにパスワードを入力する必要があります。単一の PDF、PDF ポートフォリオのコンポーネント、または PDF ポートフォリオ全体を暗号化できます。

注意: 署名済または認証済みのドキュメントのセキュリティ設定を変更または削除することはできません。パスワードを追加するには、[フォーム] > [フォーム フィールドをリセット] を選択するか、作成されたフォームのリセット ボタンを使用してすべての署名フィールドをクリアする必要があります。

  1. PDF または PDF ポートフォリオを開き、次のいずれかの操作を行います。

    • 単一の PDF、または PDF ポートフォリオ内のコンポーネント PDF (ダブルクリックして PDF ポートフォリオ内のファイルを表示) にパスワードを追加するには、[セキュリティ] > [暗号化] > [対話型パスワード] を選択します。メッセージが表示されたら、[はい] をクリックします。または、[ドキュメントのプロパティ] ダイアログ ボックスを開き、[セキュリティ] タブで、セキュリティ方法のドロップダウン メニューから [パスワードによるセキュリティ] を選択します。PDF が既に保護されている場合は、[設定...] をクリックします。

    • PDF ポートフォリオ全体にパスワードを追加するには、[ファイル] > [プロパティ] を選択し、[ドキュメントのプロパティ] ダイアログ ボックスの [セキュリティ] タブで、[セキュリティ方法] のドロップダウン メニューから [パスワードによるセキュリティ] を選択します。PDF が既に保護されている場合は、[設定...] をクリックします。

  2.  [パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスで、[互換性] ドロップダウン メニューから互換性のある PDF バージョンを選択します。受信者の Right PDF または Reader のバージョンと同じか、それ以前のバージョンを選択します。選択した PDF バージョンによって、以前のバージョンとの互換性や暗号化のレベルが決まります。

    • [PDF 1.2およびそれ以降 (40-bit)] を選択すると、40-bit を使用してドキュメントが暗号化されます。

    • [PDF 1.4およびそれ以降 (128-bit)] を選択すると、128-bit を使用してドキュメントが暗号化されます。

    • [PDF 1.5およびそれ以降 (128-bit)] を選択すると、128-bit を使用してドキュメントが暗号化されます。

    • [PDF 1.6およびそれ以降 (128-bit AES)] を選択すると、128-bit AES を使用してドキュメントが暗号化されます。

    • [PDF 1.7およびそれ以降 (256-bit AES-低セキュリティ)] を選択すると、256-bit AES を使用してドキュメントが暗号化されます。

    • [PDF 1.7およびそれ以降 (256-bit AES-高セキュリティ)] を選択すると、256-bit AES を使用してドキュメントが暗号化されます。
      注意: 互換性設定が新しいバージョンに設定されている PDF ドキュメントは、それ以前のバージョンの PDF アプリケーションまたは Reader では開くことができません。

  3. 次の暗号化するドキュメント コンポーネントを選択します。

    • ドキュメントのすべてのコンテンツを暗号化  ドキュメントとドキュメントのメタデータを暗号化します。このオプションを選択すると、検索エンジンはドキュメントのメタデータにアクセスできなくなります。

    • ドキュメントのメタデータを除くすべてのコンテンツを暗号化  このオプションを選択すると、メタデータ以外のドキュメントのコンテンツを暗号化します。このオプションは、互換性が PDF 1.5 およびそれ以降に設定されている場合にのみ使用できます。

    • 添付ファイルのみを暗号化  このオプションは、互換性が PDF 1.6 およびそれ以降に設定されている場合にのみ使用できます。このオプションを選択すると、添付ファイルを開くときにパスワードの入力が必要です。ドキュメントを開くときにはパスワードは必要ありません。保護された電子封筒に添付された添付ファイルを保護するときに、このオプションを使用します。

  4. [ドキュメントを開くときにパスワードが必要] をオンにし、[ドキュメントを開くパスワード] フィールドにドキュメントを開くパスワードを入力します。[添付ファイルのみを暗号化] を選択した場合、[ドキュメントを開くパスワード] フィールドは [添付ファイルを開くパスワード] に切り替えます。

  5. [OK] をクリックします。パスワードの確認を求める [パスワード] ダイアログボックスで、適切なパスワードを再び入力し、[OK] をクリックします。

PDF 内容の編集、印刷、コピーの制限

権限を設定して PDF の内容の印刷、編集、コピーを防ぐことができます。PDF に適用する制限を設定できます。パスワードを付与しない限り、ユーザーはこの制限を変更できません。

注意: ほとんどの PDF アプリケーションでは、権限パスワードで設定された制限が適用されます。ただし、サードパーティ製品がこのような設定をサポートしていない場合は、ドキュメントを受け取ったユーザーが設定された制限の一部またはすべてを無視できる可能性があります。

  1. PDF または PDF ポートフォリオを開き、次のいずれかの操作を行います。

    • 単一の PDF、または PDF ポートフォリオのコンポーネント PDF (ダブルクリックして PDF ポートフォリオにファイルを表示) にパスワードを追加するには、[セキュリティ] > [暗号化] > [対話型パスワード] を選択します。メッセージが表示されたら、[はい] をクリックします。または、[ドキュメントのプロパティ] ダイアログ ボックスの [セキュリティ] タブで、セキュリティ方法のドロップダウン メニューから [パスワードによるセキュリティ] を選択します。

    • PDF ポートフォリオ全体をパスワードで暗号化するには、[ファイル] > [プロパティ] を選択し、[ドキュメントのプロパティ] ダイアログ ボックスの [セキュリティ] タブで、[セキュリティ方法] ドロップダウン メニューから [パスワードによるセキュリティ] を選択します。

  2. [パスワードによるセキュリティ] ダイアログ ボックスで、[互換性] ドロップダウン メニューから互換性のある PDF バージョンを選択し、暗号化するドキュメント コンポーネントを選択します。[権限] 領域で、[権限パスワードを設定して印刷、編集及びセキュリティ設定の変更を制限] を選択します。このチェックボックスは、[添付ファイルのみを暗号化] オプションが選択されている場合は使用できません。

  3. [権限パスワード] フィールドにパスワードを入力します。

  4. [印刷を許可] ドロップダウン メニューで、許可する印刷レベルを選択します。

    • なし  ユーザーがドキュメントを印刷できないようにします。

    • 低解像度  150dpi以下の解像度で印刷を許可します。このオプションは、互換性オプションがPDF 1.4 またはそれ以降 (128-bit) に設定されている場合にのみ使用できます。

    • 高解像度  ユーザーはドキュメントを任意の解像度で印刷することができます。

  5. [変更を許可] ドロップダウン メニューで、許可する変更内容を選択します。

    • なし  [変更を許可] に表示されている PDF ドキュメントへの変更をユーザーが実行できなくなります。

    • ページの作成、挿入、削除と回転  ユーザーはページの作成、挿入、削除、回転、およびしおりとページ サムネイルの作成ができます。このオプションは、互換性オプションが PDF 1.4 およびそれ以降 (128-bit) に設定されている場合にのみ使用できます。

    • フォーム フィールドの入力と署名フィールドに署名  ユーザーはフォームへの入力とデジタル署名の追加ができます。このオプションでは、フォーム フィールドの作成やコメントの追加はできせん。このオプションは、互換性オプションが PDF 1.4 およびそれ以降 (128-bit) に設定されている場合にのみ使用できます。

    • コメントの追加、フォーム フィールドの入力と署名フィールドに署名  ユーザーはコメントの追加、フォーム フィールドの入力、デジタル署名の追加ができます。このオプションでは、フォーム オブジェクトの移動とフォーム フィールドの作成はできません。

    • ページの抽出以外のすべての操作  ユーザーはドキュメントの編集、コメントの追加、デジタル署名の追加、フォーム フィールドの作成と入力ができます。

  6. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • テキスト、イメージおよびその他の内容のコピーを有効にする  PDF の内容を選択してコピーできます。このオプションは、互換性オプションが PDF 1.4 およびそれ以降 (128-bit) に設定されている場合にのみ使用できます。

    • アクセシビリティを許可 (スクリーン リーダー デバイスのテキスト アクセスを許可する)  視覚に障害を持つユーザーがスクリーン リーダーを使用してドキュメントを判読できるようにしますが、ドキュメントの内容をコピーまたは抽出することはできません。

  7. [OK] をクリックします。パスワードの確認を求める [パスワード] ダイアログボックスで、適切なパスワードを再び入力して、[OK] をクリックします。

その他のリソース